飴細工をはじめた頃-ツルの巻-

 

あれがいけなかった。
はじめてつくったツルが売れたのが。小学生の男の子が(周りの子達にとられないうちにと) 「それちょうだい!」 と言うもんだから、「えっ、こんなんでいいの?」 と思いながら、でも我先にGETしようとしてる男の子が嬉しくてつい 「はい、ありがとう」 とあげてしまった。その後はもう次々とつくらなくちゃならなくなって、ほんとは買ってくれた男の子がその場ですぐツルを食べちゃうのか、それとも持って帰るのか、自分の第一号ツルの行方を見届けたい気がしたがそれもできず、飴細工師第一日目は忙しく終わった。


あの日から2ヵ月、飴細工はやめられない。


ツルのつくり方は何回も見て、実際やってみる前から'コツ'みたいなものを掴んでいた。できたらこのツルを一番最初につくれるようになりたかったのだ。コツは首を最初から上に引っ張らないでことだ。一度横に持っていかないと腹→胸→首のふっくらしたラインができない。そして適度に固まりかけた頃に首をもたげて今度は首→頭→嘴の曲線をつくるという具合。

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しばらくはこれができるだけで嬉しくてツルばっかり何十個もつくっていたが、そのうちふと手元にあるハサミに気がついた。まだ一度も使ってない... そうツルはハサミを一回も使わないで出来てしまうのだ。それはそれで凄いことなんだが、やっぱり飴細工はハサミでちょっきんちょっきんとやらないと。早くそういうの覚えよう。

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