飴細工の技というか細工は、大まかに言えば「切る」「曲げる」「伸ばす」「挟む」「つぶす」などで、このいくつかを同時に指でやったりハサミでやったりします。飴の特徴のひとつは「引っ張ってきれいに伸びる」ところで、この特徴を活かして自然な曲線ができると動物らしさが出たりして、見た目にもきれいな細工にできあがります。
龍の作り方
細工をやってる最中の自分は撮れないので、イベント会場で実演中に撮ってくれた画像を使って龍の出来るまではこんな感じです。
(1)飴をよく練る途中で色粉を入れて全部が緑色になったら丸めて棒の先にくっ付けて真ん丸をつくります。ここから飴が冷めて固まってきて細工が出来なくなるまでの時間との勝負がスタートです。特に龍の場合はつくってる途中で風が吹かないように祈ります。(もしくはもの凄いスピードでつくります)
(2)とにかく使う道具は和ハサミひとつで切ったり挟んだり曲げたり。龍は頭の方が形が複雑なので後でやろうとするともう飴が固くなってしまい上手くいきません。なので飴がまだ柔らかい最初のうちにつくります。(ごく最初の方では「カタツムリ?」と聞かれることがほんとに多い)
(3)さて髭と角をつけて大きく口を開いたら何となく龍の頭らしくなってきました。髭も角もあんまり細く切ってしまうと壊れやすさが増すので要注意で、チラっと相手を見て小さい子供だったりするとちょっとだけ太めにつくったりすることもあったりなかったり…
(4)手と爪を切り出します。細さ的には爪が一番細い部分なので、ここまで細工が済んでしまえばひとまずOKというところ。逆にいえば飴もどんどん冷めてきているのでこの爪をつくる段階が一番難しいかも。特におまけで手に玉を持たせる場合には慎重に形を整えておかないといけません。
(5)背中にトゲトゲをつけたらググっと引っ張って
(6)グリグリっと巻き付けて目を入れたら完成~
馬の作り方
もうひとつ、干支の動物の午(馬)はこんな感じです。
(1)白馬ということで飴を真っ白くするのによく練ったら丸めて棒の先にくっ付けて真ん丸をつくります。どんな動物でも最初に真ん丸にするところまでは一緒です。
頭の方からつくりますが、後半の脚は細くつくる難しいところですからもたもたしていられません。
(2)耳を付けてからタテガミに取り掛かります。鳥の羽と一緒で、ここは飴がまだ温かい早い段階にやらないとキレイにできません。和ハサミの活躍する細工のしどころです。まだ気分的には三分の一くらい終わったかなというところ。
(3)さて脚ですが、前脚から順番に4つを形よくつくるのはけっこう難しく、最後の後ろ脚一本をつくる時にはもうだいぶ飴も固くなってきているので上手くできるとホッとします。調子に乗って勢いよい馬にするとあちこち広がりが出て袋に収まりにくいのですが、アブダビではこの白い馬がとても喜ばれたのでだいぶつくりました。